「イレーヌちゃん修複記」
       --お姫様への道--



  midさんちのブリュRのイレーヌちゃんが
  やって来ました。
  20年前にフランス修理を受けたそう。
 修理に出してお顔が変わったので
 お嫁に出されたそうです。
 midさんが自分でペイントを剥がすそうなので、
 引き受けました。











   
 ドレスの後ろ姿。裸んぼの前・後ろ。


 織り地のワンピース。ジャストサイズです。
 MBのイニシャル入りのキャミソール
 ちゃんと股割れのズロワース
 ペチコート。全て木綿で時代を経ています。
 でも、一式全てワンサイズ大きめ。
 フランス製の化繊ヴィグ。
 やはりワンサイズ大きめ。
 シルク靴下。ブルーグレーの合皮の靴。
 赤い花形ガラスの可愛いピアス。
 






 ボディはペーパーマッシュ=張り子です。
 首・肩・太股の受けがすれて塗料もはげ、
 弱っています。
 右手の指先が1本。左手が2本の計3本と
 かかとが大きく欠けています。
 更に、あちこちのヒビと剥離を直します。
 色を合わせたいので、全身リペイントしましょう。


   ボディ編を見てみる?





 問題のお顔です。
 エアブラシで全体にファウンデーションを
  吹きかけてありますが、色も濃いですし、
  肌はペンキ塗りたてのように荒れています。
 まつげと眉はリベイントされていますが、
 荒いしズレまくっています。
  丁寧に付き合わされていますが、
  何本も割れた跡があり、
 まるで修復された土器のようです。
 木っ端だったのね。
 痛ましい。




 
 ヘッドの後ろ・中
     



 前オーナーさんからの貴重な画像です。
 ライトを上手に当てて陰を撮っています。
 どうもありがとうございます。
 後ろがM字型に修復されています。
 横からの画像でおデコに横に1周。
 右目からおでこにかけての修復が解ります。




   
   

 

 アクリル系かエナメル系かペイント系かで
 落とす溶剤が変わります。
 バッチテストの結果、ペイント系でした。
 ボディ用のペイントでしょうか。
 ペリペリと剥がれます。
 「シンナー風呂」と呼ばれるつけ込みで
  ペイントを浮かせてから
  豚毛のブラシで軽くこすります。
  この作業はゴム手袋が必要です。


     



 20年以上前の瞬間接着剤のようです。
  新製品は、時間がたたないと結果が出ないので、
  どうしても古い方法に準じてしまいます。
  補強は石粉系のパテですが、脆いです。
  鼻の付け根に固まっているのはペイント?
  ぺたぺたしていて延びるのでゴム系接着剤?
  パーツに戻して組み直すつもりでしたが、
  ペイントよりも根性のない接着です。
 




     



  9つもパ〜ツもあると、
  接着の順番もチェックせねば・・・
  と、セロテ〜プで仮付け。
 あららーー。 パ〜ツロスです。
  怪我したのはおでこから。
  ほとんどの子は前に倒れて、眉間から割れます。
  剥けた皮から石膏カスまで、
  しっかり取っておいた欠片をチェック
  更に作業中の写真をチェック
  おでこの上に粘土で埋めた白い穴あり。
  何回かに分けてでも埋めなくちゃ。
  矢印のブルーは割れ、黄色は欠け。

  白抜けはマークしていません。
  前後左右一回り。






     

     

    
 接着中。

      

   


 無事、埃よけのタッパーから出てきました。
 接着完了です。
 メスの刃もほとんど引っかからない、
 まずまずの出来でした。
  欠けが痛々しいですが、
  裏から見てもしっかりと付いています。

 
  おでこの基礎固めが出来ました。
  強力ですのでメスも効きません。
  更に盛り上げて、欠けやひびを埋めます。


  ヒビ埋めから上がって来ました。
  メスで盛り上がりを少しづつ削ります。




 


     


 サンドペーパーは600番。
 ファンデーションが剥がれますが
 これより細かいと削れません。
  指で触って段がないように・・・
  したいけど、少し妥協します。



 









       
   

    メイクアップ編につづく
    ボディ編につづく